境界編

傾斜地での境界線は?

私の土地は図のように隣地より3メートルほど低い所にあり、当然私の所有と思っていた傾斜地の部分に、 お隣が垂直に擁壁を建てて埋め立てると言ってきました。
このような場合、境界はどこにあると判断したらよいのでしょう。
一般的に傾斜地部分は、上部の土地に属すると認定されることが多いようです。
理由はのり面で上部の土地を維持しているという 事実上の理由と、明治10年の「崖地処分規定」にある定め「~中間ニ在ル崖地ハ上層の所属トスベシ~」などの根拠があるからです。
しかし、すべての傾斜地にこの原則が当てはまるわけではなく、その土地の地域慣習、法務局備え付けの公図、 地積測量図などを基に当該地の沿革を調べ、帰属が下段の土地所有者にあるとされたケースもあります。
境界調査の専門家である土地家屋調査士に依頼し、よく調査されることをお勧めします。

同じように判定が難しいケースとしては、 周囲の宅地より一段高い道路との境界、段々畑の境界、水田の畔(あぜ)境界があります。
いずれも、地域の慣習や法務局の公図、 地積測量図などを十分に調べ、納得のいくよう境界を定めることが大切です。