境界編

地震で土地移動、境界は?

私の実家は神戸市ですが、阪神淡路大震災によって実家の地域全体が数10センチ、大きいところで1メートル近く 水平方向に移動していることが、測量によって判明したと新聞報道がありました。
実家の敷地の境界も移動しているようですが、 このままでよいでしょうか、移動前の位置には戻るのでしょうか。
現在は人工衛星を利用した最新の技術により、短期間で精度の高い測量ができます。
震災後、 建設省国土地理院によるこうした測量の結果、被災地周辺で1メートル以上ずれた地域が存在することが判明しました。
本来の土地の境界(筆界)は、個々の土地を区画する公法上の区分線で公的に設定されたものであり、 分筆などの手続きを行わない限り、当事者間で任意に処分はできないものとされています。

ご質問のように、 地震などの地殻の変動により、地表面が広範囲に移動し、境界も動いた場合は、法務省民事局の見解として、 移動は人為的なものではなく、隣接地全体が相対的に移動したものであることから、 局地的な地表面の土砂の移動(崖崩れなど)と異なり、原則として土地の境界も相対的に移動したものとして 取り扱うことにしています。
あなたのご実家の場合も同様に、隣接地と一緒に敷地境界も移動したことになりますので、 現地にある境界標識は測量図の境界標識とみなしてもよく、ご心配はありません。