境界編

境界紛争の予防方法は?

地価高騰は鎮静化してはいるものの、土地は依然高い財産的価値を持っています。
境界を安全に管理していくためのよい方法を教えて下さい。
土地の価値が今ほど高くない時代には、樹木や岩、溝や畦などの自然的地物をお互いの境界としてお隣同士支障なく 過ごしてきました。
しかし、今日のように土地が高い財産的価値をもつようになると、ばく然とした境界では土地を 十分に管理していくことはできません。
さらに、現地を特定することができる公的な地図も、 このコーナーでもご説明致しましたように、全国的には十分整備はされてはいませんし、現在法務局に備えてある地図に 準ずる図面としてのいわゆる公図は、その作成過程から精度は十分でなく、境界判定の資料とはなりえない場合が多くあります。

そこで境界紛争を未然に防ぐには、まず第一に隣地所有者の立ち会いを求め、様々な資料を参考にして決定した境界点に、 御影石やコンクリート製の堅個な境界標を、コンクリートなどで十分根巻きをして設置すること。
第二に各筆ごとに測量図を作成し、関係者の確認印を得ておくこと。
第三に図面上の境界点と現地の境界点が 対応して認識できるような写真を撮影しておくこと。
また、万が一境界標が忘失しても復元できるように、 近くの変動しない基準からの位置関係も図面に記載しておくとよいでしょう。

重要なことは所有者自らが境界を十分認識し、 管理していくことです。
遠方の土地については、地元の土地家屋調査士に管理を依頼することもできます。