建物全般

長屋の分割登記は可能か?

2戸が1棟になっている長屋(貸家)とその敷地を所有していますが、 借家人の1人が借りている部分の建物と敷地を買いたいと言ってきました。
譲りたいと思いますが、どのようにしたら可能でしょうか。
長屋は共同住宅として登記されています。
まず建物から考えてみましょう。
建物は現在2戸分が1つの建物として登記されていますから、これを1戸ずつに区分する必要があります。
それには、それぞれの1戸がいわゆるマンションのような「構造上の独立性」と「利用上の独立性」を有した 「区分建物」に該当するか否かを判断しなくてはなりません。
まず構造上の独立性ですが、長屋は通例2戸の間にしっかりとした壁があり、 まったく他人の2世帯に利用されているものですから、まず問題ないといえます。

次に利用上の独立性ですが、各々出入り口も別で、相手方の占有している部分を通らなくても出入りが可能であり、 それぞれに台所、トイレ、居室などがあれば、これも問題ないといえます。
ご質問では、その敷地も分筆して売買したいとのことですが、建物区分登記をしますと、 その土地に「敷地権の表示」がなされ、分筆しても売買による所有権移転等の登記はできなくなりますので、 分筆をして、その敷地も移転登記をしたい場合には、建物区分登記申請の際、公正証書による「敷地の分離処分可能規約」 を添付すれば、そのような登記が可能です。

詳しくは最寄りの土地家屋調査士にご相談下さい。