岐阜城登記プロジェクトは、土地家屋調査士70周年記念事業として平成30年に企画し、令和3年より岐阜市、岐阜地方法務局、林野庁との協議を重ね、令和5年10月26日に建物表題登記が完了しました。
岐阜城登記にあたり、岐阜地方法務局、岐阜市役所、林野庁中部森林管理局岐阜森林管理署をはじめ多くの方に協力いただいき感謝しております。
これまでの歩みを簡潔に紹介させていただきます。
平成30年~令和3年
岐阜城の存する土地の調査したところ、岐阜城の存する土地に登記情報、昔の登記簿、さらに前の土地台帳はなく、岐阜市及び法務局に和紙公図(旧土地台帳附属地図)は保管されている事が判明しました。和紙公図には「天主閣」とあり守ではなく主の字。図面に「拾八番」の記載ありました。
全国のお城の登記状況の調査したところ、愛媛県の松山城、滋賀県の彦根城については登記簿がある事が判明しました。(明治期の登記と思われ、建物図面は存在しません)
お城の登記状況がわかる便利なサイトがある訳でもなく、所在地の市町の観光課等に聞いても回答をもらえない事が多く、所在地番を調べ、その上に存在しそうな建物登記情報を一つ一つ取得する地味な作業でした。多くは近所のお土産屋さんと思われる店舗の登記情報でした。
令和4年
1月18日に現地調査(主に建物調査)を行いました。
8月9日に現地調査(主に基準点測量、細部測量)を行いました。
- 測量作業風景
岐阜市役所、岐阜地方法務局、林野庁中部森林管理局岐阜森林管理署等と都度協議しました。
令和5年
10月11日に表題登記を申請し、10月26日に完了しました。
11月10日に臼井会長および役員の一部で岐阜市長へ完了報告の表敬訪問し、翌日の岐阜新聞、中日新聞、読売新聞に記事が掲載されました。
登記を終えて
資料調査を進める過程で、現存の登山道と公図上の赤道がほぼ整合する事が判明し、
先人の測量技術には驚きました。
また、他のお城の調査を進める中で、全国の著名なお城の登記簿がほとんど存在しない事が判明しました。すべてのお城を調査する事は難しいですが、現時点で当会が把握する限り、お城の建物図面が取得できるのは岐阜城が全国第1号であると思われます。